1. 国際音声記号:International Phonetic Alphabet (IPA)

英語の発音について勉強するにあたって、国際音声記号と、発音の確認に便利なサイトのリンクをまとめます。

 

国際音声記号(以下IPA)は、さまざまな言語で使用される音声を記号化したものです。発音を記す国際標準の枠組みであり、Oxford advanced learner's dictionary などで採用されています。(英和辞典などで使われるJones式発音記号は日本独自のものです。IPAとの対応はここを参照

国際音声学会(International Phonetic Association)IPAを定める学会のWebサイト(英語)

International Phonetic Alphabet - WikipediaIPAに関するWikipediaの記事(英語)

国際音声記号 - WikipediaIPAに関するWikipediaの記事(日本語)

 

使用する記号はA4一枚の一覧表(IPA chart)にまとめられています。

IPA chartIPA chartのpdfファイル

 

それぞれの記号の発音は以下のサイトから確認できます。(他にも多数)

Interactive IPA chart:国際音声学会のページ。複数の人の音声サンプルがあるので音の比較ができる。(英語)

母音 (vowel) - Wikipedia子音 (consonant) - WikipediaWikipediaのページ。母音、子音の発音方法が確認できる。(英語)

IPA chart - Seeing Speech:Seeing Speechのページ。MRIで撮影した動画が上がっており、舌の動きが確認できる。(英語)

注意点ですが、上に挙げたリンク先の音声は子音の発音に母音が含まれています。

例:/s/の音声データには sa asa が収録されている(こちらを参照、"Pronunciation of a voiceless alveolar fricative, [s] between two [a]s, [asa]" と書いてあるが一音目は /sa/ に聞こえる。)

無声子音の発音には母音の音は含まれないので、音声から /a/ の音を抜いた部分が /s/ の音に対応します。理由は不明ですが、ネット上のほとんどの音声データでは子音に母音を加えた音声が収録されており、初学者にとっては少し不便です。

 

追記の追記:ここから下の話は、英語で使用する音だけに限定しています。リンク先の音声データや講座は IPA chart 上のすべての音を網羅しているわけではないので注意してください。

 

追記:Cambridge English Onlineが提供する Phonetic chart で子音単体の音を聞くことができます。とても使いやすいです。また ios アプリもリリースされており、そちらも便利です。Oxford Owl: Phonicsというサイトでも子音単体の音を聞くことができます。

 

有料になりますが、子音のみが収録されているCDは

英語耳[改訂・新CD版] 発音ができるとリスニングができる

に付属されています。音声は女性・男性の両方を聞くことができます。また、発声方法が文章で説明してあります。ただし、/s/の発音と一緒に see /si:/ などの /s/ を含む単語の発音が収録されています。母音 /i:/ を学ぶ前に /si:/ を発音するのは難しいので、CD全体をフォローするのは、母音・子音単体の発音を覚えた後が良いかと思います。

 

英語の発音についてIPAに基づいて体系的にまとめた講座が BBC Learning English から提供されています。

The Sounds of EnglishIPAのそれぞれの記号の発音方法が動画で学べます。全編英語です。講師は女性の Alex さんです。イギリス放送の BBCが提供しているので、発音はイギリス式です。イギリスの方言は Northern English (北部英語) と Southern English (南部英語)の2つに大きく分類できるらしいですが、Alex さんのアクセントは Southern English だそうです。なので、この講座で学べるのは、イギリス南部の英語になります。Tim's Pronpunciation Workshop とは別物なので注意しましょう。英語耳と同様に、各IPA記号の動画に、それを含む英単語の発音が含まれています。しかし、英語で使用するIPA記号全体の発音を理解していない段階では、正しく発音できないので、先に記号の発音を覚えてから、全体をフォローする形が良いかと思います。

発音記号3時間マスター:上記の BBC 講座に関して、日本語の解説を加えたページです。3時間でマスターとありますが、果たして...

唇の動きが確認できたり、講座形式で学べるのは動画の良い点ですが、個々の音を繰り返し確認する場合は、上の方に挙げた mp3 で短い音源が提供されているサイトの方が、クリックするだけで繰り返し聞けるので便利だと思います。

 

個々の単語がどのように発音されるのかは、Oxford advanced learner's dictionary などで確認できます。リンク先から検索すると、英単語の説明(英英辞典なので英語で解説)と音声を確認することができます。音声はイギリス式とアメリカ式の両方が聞けます。紙媒体はAmazonなどで購入可能ですが、電子辞書に搭載されていることもあるので、購入前に確認してみましょう。

オックスフォード現代英英辞典 第10版

 

以上、国際音声記号に関するまとめでした。学習方法としては、

  1. 英語で使用するIPA記号の発音(単音)を習得する。どの記号を覚えるべきかはBBCの講座などを参照する。
  2. 簡単な単語について、IPAを意識しながら発音練習を繰り返す。

といった感じでしょうか。録音して発音をチェックしながら、音読をするのもいいかもしれません。基本的には英語耳に準拠して学習すれば良さそうです。がんばりましょう!

 

(余談)

面白いことに、昨晩からTim さんによる 5 days to improve your pronunciation が開講されました。勉強を始めようと思った矢先なので、楽しんで取り組めそうです。

BBC Learning English - 5 days to improve your pronunciation / Day 1. What's Tim's tip?

一日目の課題は以下の2つの問に答えることです。

  1. How many sounds are there in English?
  2. What are the main things to focus on when improving pronunciation?

こちらも上手く使いながら勉強を進めていこうと思います。

 

2020/11/24 submit the article. add some minor modification.